P2回 値上と数量アップでは利益が2倍弱違う

  • 同じ売上増加でも利益効果が違う。
  • 経営視点からの分析要素の変化が利益にどう影響するか(利益感度)

損益計算書を組み換え・ストラック図に表現すると図のようになります。

損益計算書 を経営的視点から3つの計算式からなっている。
P(売価)-V(単位売上原価、変動費)=M(粗利益)の単位当たりの計算
*V(売上原価)は売上が増えれば増加 減少すれば減少 するといった売上比例日で変動費がこれに相当します。
・設例のような卸・小売といった物品販売業なら商品売上原価
・製造業なら、材料費、外注加工賃 場合によっては、燃料費や消耗品費を含めます。
・飲食業なら、食材費や水道光熱費 、ケースバイケースだがアルバイトやパート給与も含める。
・理美容業なら、シャンプーや整髪料等の薬剤費 雑誌・新聞代等
要は、税金計算でないので金額が大きく売上に比例するものを変動費とします。

PQ(売上)-VQ(変動費)=MQ(粗付加価値)
次に、数量を掛け合わせたものを粗利益までの計算
*VQを売上原価と表示しないのは、製造業では固定費が売上原価に含まれてしまうので表示をあえて変動費としたほうがいいと思われる。
*MQは粗利益は、付加価値と言われる内容と近い。
重要:PQ(売上)とMQ(粗付加価値)は比例関係にある。売上と利益(G)は比例関係にない。

MQ(粗付加価値)-F(固定費)=G(利益)
固定費には、正社員給与や法定福利費のような人件費、家賃や通信費や交通費 また、製造業の場合機械リース料や修繕費等の諸経費等 減価償却費 といったものをいい、売上の増えても減っても増減しない費用をいいます。
重要:利益が出るとは MQ>F 損失とは MQ<Fの状態をいいます。Fは固定しMQが可変項目となります。

同じ10%売上増加でも、販売数量増加と販売単価アップでは利益は2倍弱の差となる。

*数量増加の場合:数量(Q)が100個が110個販売となるため、売上が11000円、粗付加価値(MQ)が3300円 粗付加価値率(m率)は、現状と同じ30%となるため利益(G)は900円

*販売単価アップの場合:売価(P)が100円が110円となるため、売上は同額の11000円だが、粗付加価値(MQ)が4000円 粗付加価値率(m率)が30%が36%と大幅に増加するため固定費を差し引いた利益(G)は1600円という大幅アップ。

粗付加価値率アップ(m率アップ)できる状態とは、提供する商品の機能・品質・デザインや付加サービスとしてアフターサービスや接客等が現状よりも価値ありと顧客が認めていなければ営業マンの押し込み販売となってしまう。付加価値向上とは、常日頃からの経営努力が必要といえる。

*円安・ウクライナ情勢による物価高は、原価アップによるものであるから現状粗付加価値率(m率)維持できる値上げ額で対応すべきである。

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